みなさんは、ラインコーティング剤を使用していますか?基本的には、ラインコーティング剤は絶対に使用した方がいいと断言できます。
個人的には、いくつかのコーティング剤やホームセンターなどで購入できるシリコンスプレーなどを試してきましたが、やっぱり総合的に考えて『 PEにシュッ! 』が最もおすすめできます。今回は、なぜ『 PEにシュッ! 』がおすすめできるのか、他のコーティング剤との違いなども含めてレビューしていきます。
PEにシュッ!とは
VARIVASから販売されている常温フッ素コーティング剤を使用したPEライン用コーティングスプレーになります。
フッ素の強力な保護膜で、ラインとガイドの摩擦抵抗が少なくなり飛距離がアップします。また、キャストの繰り返しにより発生するラインの傷みやガイドの損傷も抑えられ、ラインやロッドの寿命が向上します。さらに、摩擦の減少により静電気の発生も抑制され、ラインがらみなどのトラブルも減少します。
耐久性と撥水性がより高い『 PEにシュッ!プロ仕様 』も販売されています。細めにメンテナンスができない方には、こちらもおすすめです。
シリコン系コーティング剤はNG
フッ素系コーティング剤より安価に手に入り、同じようにラインをコーティングして摩擦を減少させる効果を得られるため、シリコン系コーティングスプレーを薦める方もいらっしゃいます。
確かにホームセンターなどで手軽に購入できますが、シリコンスプレーはおすすめできません。特に、水溶性シリコンスプレーの使用は厳禁です。
釣行中に剥がれ落ちてしまう
耐水性シリコンコーティングでも、フッ素コーテイングと比べると皮膜が剥がれやすいです。1時間程度キャストを繰り返しているとシリコンコーティングが徐々に剥がれてきます。ただ剥がれるだけであればまだマシですが、溶け出したコーティング剤がラインを伝わり、手やリール内部にも侵入していきます。また、そのコーティング剤でベタベタした手でハンドノブなどを触ると、ハンドルノブの劣化を早めることにも繋がります。
水溶性シリコンコーティングを使用するとさらに悲惨なことになりますので、ご注意ください。
ゴム部品が劣化する
シリコンコーティング剤は、ゴム部品に対しても一時的に運動性能を向上させますが、長期間でみるとゴム成分を溶かしてしまいます。あくまでも消耗部品に対して使用するものです。
しかし、リールは長期間使用することを前提としていると思います。シリコンコーティング剤がラインを伝わってきた水を介して、さまざまなパーツに触れるとそれだけリールの劣化を早めてしまうことになります。大切なリールであればあるほど使用をおすすめできません。
浸透しにくい
シリコン(Si)の方がフッ素(F)より原子サイズが大きいので、浸透しにくいと言われています。ラインに噴射しても浸透しにくいので全体に行きわたりにくいです。
使用頻度と使い方
使用頻度
釣行頻度にもよりますが、以下のように使用しています。参考にしてみてください。
・1日中キャストを繰り返した場合 : 1釣行で『 PEにシュッ!』を使用
・短時間長の場合 : 3〜4釣行で『 PEにシュッ!』を使用
使い方
- 『 PEにシュッ!』を使用する前にリーダーなどを組んでおく。
※ 後からノットを組むと、摩擦が少なくなるのでほどけやすくなってしまいます。 - 乾燥したスプール上のラインに対して、近距離から噴射します。ラインにコーティング剤が浸透してラインの色が濡れたように変わりますので、ライン全体にしっかりコーティング剤が浸透するようにします。
- 1日程度乾燥させておく。
※ 釣行直前に使用すると、コーティング剤がすぐに剥がれ落ちてしまいます。
その他の利用方法
フッ素系コーティング剤は、金属可動部などの動きをスムーズにしてくれますので、他にも様々な道具に使用できます。また、フッ素は撥水性・防錆効果も非常に高いので、大切な道具の錆防止にも使用できます。個人的には、以下のような用途でも使用しています。
- スプリットリングプライヤーの金属部分に使用( 動きをスムーズにする 錆を抑える )
- ロッドガイドに使用( ラインとの摩擦を軽減する 錆を抑える )
- ラインカッターなどに使用( 錆を抑える )
- リールボディーやロッドブランクスに使用( 撥水性を高め汚れや錆を抑える )
最後に
今回は、VARIVAS『 PEにシュッ! 』をレビューしました。考え方はさまざまですが、個人的にはシリコンコーティング剤を釣具に使用するのはあまりおすすめできないと考えています。フッ素系コーティング剤は他のコーティング剤と比較すると高価に感じますが、PEラインのみならず釣具に総合的に使用できます。また、100ml1500円 , 320ml3000円程度で購入できますが、普通に使用していれば容量的にもかなり長持ちしますので、それほど高い買い物ではないかと思います。機会があればぜひ試してみてください。