【ステラ レビュー】 10ステラ

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 今回は、サクラマスで長年愛用してきた10ステラのレビューをさせていただこうと思います。今なお多くのファンを持つシマノの名機10ステラ 。インターネットなどで調べてみても案外情報が出てこなかったので、今回は10ステラの魅力をお伝え出来ればと思います。

 10ステラの特徴

X-SHIP(エックスシップ)を初搭載した10ステラ

 今では、シマノリールの定番になっているX-SHIP。この機構が初めて搭載されたのが、10ステラになります。X-SHIPは、①大口径ドライブギア②新構造ギア配置③ピニオンギアのベアリング支持の3つの構成になっています。このX-SHIPにより、剛性、耐久性や巻き感度、巻き心地、巻き上げトルクの向上が前機種の07ステラ から大幅に向上したと言われています。現在では、この10ステラの機構がさまざまなリールに取り入れられ、リール性能が大きく向上しました。10ステラもこのX-SHIPの恩恵もあり、今なお現代リールに負けない実釣性能を誇っています。

大口径ドライブギア(ハガネギア

 大口径ドラグギアが搭載されたことにより、ギアのかみ合わせが向上。巻き上げトルク(軽い巻心地)が大幅に向上したのがこの10ステラです。07ステラのφ25.9mmから10ステラ ではφ27.5mmへと大型化。ボディサイズはそのままでギアを大きくすることで、重量増加を抑えながら、リールとしての性能を向上させることに成功しました。

 また、シマノの高級リールに用いられる『超々ジュラルミン鍛造バリアギア』が搭載されており、滑らかな巻き心地が長期間継続します。

② 新構造ギア配置

 リールサイズごとにピニオンギアとドラグギアの配置を見直し、07ステラからボディサイズはそのままに大口径ギアを搭載することに成功しました。また、2つのギアの配置角度を調整することで、ドライブギアからの動力をピニオンギアにより効率的に伝達することが可能になりました。この新構造も巻き上げトルクの向上に一役買っています。

③ ピニオンギアのベアリング支持構造

 リールの中でも最も高速で駆動するピニオンギアを2つのボールベアリングで支持することで滑らかに回転するように設計。巻き心地を大幅に向上させました。また、ボールベアリングにSA-RBを用いることで、耐久性を兼ね備え海水にも対応しています。

 これら3つの機構からなるX-SHIPは、最新フラッグシップリール22ステラにも使用されているほど、完成された機構になっています。そのX-SHIPが最初に搭載された10ステラ は、工業製品としても価値のある逸品となっています。

メインシャフトと金属製軸受

 メインシャフトの精度を向上させつつ、メインシャフトの軸受部分を金属製にすることで巻きノイズを軽減しています。07ステラからさらなるクリアランスの向上を図りました。

伝統のオールメタルボディ(ハガネボディ)

 ステラ伝統のマグネシウムボディが全機種に搭載されています。また、ローターはマグネシウムローターとアルミニウムローターがあり、詳細には覚えていませんが小型番手にはマグネシウムローターが、大型番手にはより強度のあるアルミニウムローターが搭載されていました。マグネシウムを使用することにより、軽量かつ金属特有の剛性を感じ取れる素晴らしいリールになっています。

 ツインパワーの構造が変更になり、オール金属を守り続けるリールはステラのみとなってしまいました。性能ももちろんですが、オール金属の使用感をこれからも残して欲しいものですね。

AR-Cライトスプール搭載

 07ステラからではありますが、AR-Cライトスプールが搭載されており、トラブルが大幅に減少したと言われています。ルアーフィッシングでは、アクションを加えることにより、ライン巻き取り時のテンションが大きく変化します。これは、キャスト時のライン放出の乱れにつながるのですが、AR-Cスプールの恩恵でキャスト時のラインの乱れを抑えトラブルが減る仕組みになっています。

 今ではシマノのほとんど全てのリールに取り入れられている機構であり、この時代に後世に残る素晴らしい構造が開発されました。

アルミドラグギア

 掴みやすく高級感のあるアルミドラグギアが搭載されています。現代の低価〜中価格帯リールのパフォーマンスは本当に素晴らしいですが、やはりドラグノブなど細部に見られる高級感にはこの10ステラには負けるのではないでしょうか。ギア比によってドラグノブの色が異なりますので、ギア比の違いを見分けることもできます。

10ステラC3000HG(使用感)

 私が所有している10ステラは、C3000HGになります。サクラマス・シーバスのルアーフィッシングで使用しています(していました。)10ステラを使用し始めたときを思い出し、当時感じた使用感と最近のリールと比較して感じる使用感をレビューしていきます!

なめらかな巻き心地からくる感度の高さ

 なめらかな巻き心地で感度が非常に高いリールです。ステラがヌメヌメの巻き心地になったのもたしか10ステラからであったような気がします。

 ロッドにもよりますが、ルアーをリトリーブすると水中の変化を感じとることができるレベルです。潮の動きや河川の流れのよれなどを感じることができるので、流れのよれや潮の動きがきいているところにルアーを通すことで釣果につながった経験も多くあります。以前、大規模河川でのサクラマスフィッシングの際に、水押しの強いところを探し釣果につながった経験もあります。狙ったところで魚をかける喜びは格別のものがありますね!

巻き上げトルクの向上の恩恵

 サクラマスフィッシングでは、特に流れの強い瀬でダウンストリームの釣りをすることも多々あります。ダウンストリームの釣りでは、リールの性能差が顕著に出ます。剛性の低いリールだと、巻き上げに力を加えるためか、ローターがたわむためか、巻き感度が著しく低下します。しかし、この10ステラは強い水圧下でも巻き上げトルクが強くルアーを難なくリトリーブすることができ、ルアーの動きを感じながら釣りをすることができます。サクラマスアングラーにステラ愛好家が多いのも頷けます
 また、リバーシーバスでも、グイグイシーバスを引き寄せることができリールの力で魚を寄せることができると感じます。

ルアーの立ち上がりが早くキャスト直後の釣果増加

 X-SHIPの恩恵で巻き出しが非常に軽く、力強くなっています。ダウンストリームの釣りにおいて、巻き出しからルアーをしっかり泳がせることができます。ルアーの性能もあるかと思いますが、ステラを使用してからリバーシーバスのキャスト後のヒットが確実に増加しました。リールで釣果は変わらないと言われる方もおられますが、個人的にはこの10ステラでリールで釣果は変わると実感しました。

細部まで創り込まれた高級感

 近年、中価格帯のリールの性能もかなり高くなり、同じコアソリッドシリーズの中でもストラディックやツインパワーなどを使えば十分目的の釣りを楽しめるようになってきました。特に、最新の20ツインパワーは10ステラと同等、もしくは上回る性能を持っている気もします。

 しかし、ステラはやっぱりステラ。ひと昔前の10ステラにおいても、現代のフラッグシップリールに負けない細部まで創り込まれた高級感があります。釣りの楽しみはいろいろありますが、所有感を満たし、愛着のあるリールを使う喜びを感じ、魚をかけなくても釣りを楽しめるリールはステラの右に出るものはないかと思います。

最後に

 今回、10ステラのレビューをしました。思い出すと当時は『バンドエイドステラ』と言われていましたね。当時、お金を貯めて釣具屋に買いに行ったのが懐かしいです。使い込めば使い込むほどに愛着が湧くリール、所有感を満たしてくれるリール、それがステラですよね!

 現在でも10ステラは中古相場でも高値で取引されています。でも、値が下がらないからこそ、リセールまでを考えると案外安くでフラッグシップリールの魅力を体験することができるのではないでしょうか。ぜひ、機会があれば使用してみてください!

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